May 25, 2008
「榎本俊二のカリスマ育児」(榎本俊二)
育児マンガによくあるパターンは、「こんなに大変やけど、こんなことがあったからおっけー」ってやつと、「しんどいって聞いてたけどそーでもなかった、これは聞いてなかったけど意外と大変かも」ってやつで、ま、どっちのネタもギャグにして面白おかしい話にしてるってのが多いわけです。
たぶん「これからお母さんになる人」に「結構楽しいよ」って言いたいし、「もうお母さんになってる人」に「結構大変やったでしょ?」って賛同を得ようってのを目的に描かれてるんやと思うのですね。つまりメッセージ色が結構強いもんなのです。語ってるちうかね。
で、描いてる人も圧倒的に女の人のが多いわけで、ワタクシもいくつか読んでるわけなのですが、大体そんな感じかなーと(内田春菊、堀内美佳、桜沢エリカ、現代洋子、石川三千花、森本梢子、深見じゅん、本やったら、さくらももこ、よしもとばなな、石坂啓あたり)。
男の人のんってのは、あっても割と観察系っちうか「奥さんと子供のドタバタを見守りつつ、たまに子供に接触して『おおおお』って感想がネタ」って感じの「一般的な父親目線」のが多いかと思うのです。距離感がそんな感じなんかなー。(高岡凡太郎、江川達也、魔夜峰央あたり)
で、この本ですが、「女の人が描く目線」でもなく「他のよくある父親目線」でもなく、「母親や子供から投げられたイベントに反射的に返しまくる」ってな、「スパイクを打たれ続けられる中、ひたすらレシーブ」といいますか、「延々と終わらない壁打ちテニス状態」といいますか。
「こんなん言われた」→「こんなんしてみた」→「こんな仕打ちが返ってきた」→「こんなん仕返してみた」パターンが、どんどん続いていくだけなので、ネタは「育児マンガ」なんやけど結果はギャグマンガになってるのですね。つまり一切語りがありません。
自画像も目が書かれてないので、無感情に打ち返してるってのが強調されてて、子育てイベントがシュールに繰り広げられております。「子育て要員としてねーちゃんに呼びつけられた弟くん」って目で見ると、とってもピッタリきそうです(そしてお家でお仕事)。
ただ、一切語らずひたすら大変な目にあってるだけなのに、全部読むと「子供ができてよかったって絶対思ってるんやろなー」って確信できちゃう後味なのですよ。何なんでしょうこれは。
ちなみに、奥さんの耕野裕子も「愛ある暮らし」って育児マンガ出してまして。初出を見るとこちらの方が先行して出たのかな?こちらは他の育児マンガ同様「大変やけど幸せ(はあと)」なマンガで、榎本俊二も目ありで感情豊かに登場してますので、ギャップを見ると面白いっすね。
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