Mar 11, 2008
「怪奇版画男 (版画SPECIAL)」(唐沢なをき)
マンガでも本でも何でもそーですが、「ノリノリで作ってるねー」って思えるもんが好きなワタクシ。
「でかい乳ならええんやろー」とか「かわいい女が出てきたらええんやろー」とか「かっちょいい男がかっちょいいこと言ったらええんやろー」みたいな「(限定)読者サービス」を感じてしまうと、一気にさめちゃうのですよ(作り手側がそれを好きならええんやけどね)。
そーいう意味で唐沢なをきは、どのマンガでも「こんなん面白いと思ってー」を前面に出してるマンガ家さんやと思うのです。なのでどんな自虐的なネタでも「好きでやってるくせにー」って確信しちゃうのです。この「好きでやってるくせにー」度は「ダチョウ倶楽部・上島」と同等です。
中でも「怪奇版画男」は「こんなん面白いと思ってー」の極みっすね。見たことありますか?笑うっしょ。あ、見たことないっすか?いやー見たら笑えます(ワタクシ保障)。
「怪奇版画男」は全編版画でできたギャグマンガです。えー、大事なことなのでセンセもう一回言いますが「ぜーんぶ版画」なのです。絵はもちろん、背景も効果線も枠線も漫符もセリフも、使用したJASRACコード番号も「全部」です。細かいことを言うとセリフ部分はゴム版画で、その他が木版画やそーです。
ストーリーとしては「年賀状やら暑中見舞いやらを版画で彫れー」ちう版画原理主義の「版画男」が、「怪人プリントゴッコ」や「怪人マッキントッシュ男」や、その他一般の人を巻き込んで大騒ぎするっちう話なのですが、この際ストーリーなんざどーでもいいです。いやストーリーも面白いけども。
マンガ部分だけでは飽き足らず、表紙から初出一覧から奥付から目次から、後半登場する2色刷りや4色刷りにいたるまで。「バーコードんとこ以外」全手彫りちう「誰がそんなんせーっちゅーたよー」な無駄すぎる手間を隅々まで楽しめちゃうのが素晴らしいですね。「才能の無駄遣い」ってタグをつけたいくらいです。
ちなみにワタクシが持ってるのは「第2版」なのですが、当然奥付の「第2版」の部分も版画で追加されてます。素敵すぎるー。無駄すぎるー(TдT)
元々のんはもう絶版になっちゃってるぽいですが、オンデマンド版(奥付部分と装丁が簡易製本に変更になってるらしい)は、コミックパークで購入できるよーです。試し読みもできるので、「結局どーゆーことになってるのん?」ちう方は試しに中身を見て「ほんまに版画やー」ちうてくださいな。
作品に使用した版木写真は「からまんブログ」のこちらで見られます(遠目ですが)。いやいやいや、版画やからね。「そーゆーことになってるんやろーなー」とはわかってたけどね。実物を見るとやっぱし「ほんまに彫ってるー(TдT)」です。
「実験マンガ」ちうジャンルで言うと、「カスミ伝」シリーズから一貫して「手間隙かけたからスゴイ」じゃなくて「そのスゴイ手間隙が笑える」ってとこに着地してるとこが「ギャグマンガ家ってすごーい」と嬉しくなっちゃうワタクシなのでありました。
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