Jun 26, 2005
「メイプル戦記」(川原泉)
ちっちゃい時から近所で男の子と三角ベースやってたワタクシ、まわりの男の子より上手やったので「おっきくなったらプロ野球選手になるー」と思っておりました。中学で野球部がなかったのでソフトボールをやり、高校でもなかったのでソフトボールをやり、結局「女はプロ野球チームに入れない」って規則があったこともあり、そんな夢は自然とフェイドアウトしてしまったのでありました。
で、そんなワタクシが社会人になってからプロ野球の規則が変わったのであります(1991年)。「野球協約第83条」にある「不適格選手」の項目から「医学上男子でないもの」って項目が消えたのであります。早い話が「女でも入りたかったら入っていいよーん」ってことでありますね。「遅いんじゃ、ぼけー」と会社員になってたワタクシは思いましたとさ。
さて「メイプル戦記」とは。そんな規則改定された後に描かれたもんであります。上記の規則改定を受けて、「メイプル製菓」のオーナー(おばあちゃん)が「あたしも球団を持ちますー」と立候補しました。セリーグ7つ目のチームが誕生です。球団名は「スイート・メイプルス」。本拠地「札幌ドーム(ちなみに当時はありませんでした)」。選手入団資格は「女子に限る」。
監督には「甲子園の空に笑え!」で、弱小「豆の木高校」を甲子園に導いた広岡真理子が要請され(ってなわけで「甲子園の空に笑え!」も読んでおくとより楽しい)、選手も国内や海外から集まり(オカマも含む)、その年のペナントレースにのほほーんと挑んでいくのであります。ま、当然いろいろなことが起こるわけですね。
基本的に他のチームはすべて実在球団であります(名前変えてあるけど)。中日は星野監督やし、巨人は藤田やし、西武は森で(堤オーナーまで登場)、選手も地味に本物が登場ー。落合の目は離れすぎでありますがしゃーないしゃーない(ちなみに中日時代)。メイプルスナインが「対等に試合が出来るレベル」ってことになってる時点で、かなり夢物語でありますが(レギュラーの半分以上が卒業したての未成年)、ま、そんなことも置いとけ置いとけ、であります。
オーナーの趣味(宝塚好き)で応援団はそれっぽくなってるし、オカマの瑠璃子ちゃん(本名・聡史)はその昔甲子園で優勝投手やったとか(ちなみにキャッチャーの子に片思いで、その子は別チームでレギュラー)、仁科紘子の旦那は遊び人の巨人の投手で別居中とか(当然夫婦対決とかあり)、選手個人個人にあるいろんなドラマをおりまぜ、ちょっと間違ったら深刻になりそーなとこをへらへらっと乗り切って進んでいくとこがとっても能天気でいい感じっす。
本気で「プロ野球選手になりたいー」と思ってる女の子には、全く参考になる話ではありません。が「お気楽・極楽」な野球マンガを読みたいな、ちう人にはお勧めかなっと。ルールがわかってなくても大丈夫。「野球が好きで勇敢で、ただそれだけののんきもの(最終回ナレーション抜粋)」の、のんきぶりを1シーズン読むと、ちょっとのんきになれていいっすよ。文庫で全2巻(単行本で全3巻)であります。
※ ちなみに「女がプロ野球入り」ちう話では、小説ですが「勝利投手@梅田香子」がお勧め。中日ドラゴンズに女の子投手が入団するって話であります(こちらも監督は星野)。スポーツライターさんの書いた本なので、結構リアリティあるっすよ。キャッチャーの及川は絶対達川がモデルと思います。
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