Sep 02, 2009
「ブックデザイン ミルキィ流」(ミルキィ・イソベ)
「本のデザイン」っちうのは「表紙をデザインする人」やと、長らく思ってたワタクシ。和田誠とかの印象が強かったのかなー。ま、文庫派やったせいもあるのでありましょー。
ところがこの本を読んで、目からウロコがポロポロです。「そんなとこまでデザインしてたんやー」とビックリ仰天やったのでありました。
ミルキィ・イソベさんちう人は、「ブックデザイン」をお仕事にしてる人なのですが、この本の中で「自分がデザインした本」をピックアップして、「この部分はこーいう意図でこーデザインしましたよん」を解説してくれてます。
中身も写真や図解でわかりやすく説明されてるので、Amazonの表紙画像んとこにある、「その他のイメージを見る」で、どんなんか見てみてくださいませ。
で、その中身ですが、目次を紹介するとわかりやすいかもなので、紹介しましょー。
1. 読む人のデザイン
2. 写真集・作品集のデザイン
3. ブックデザインの考え方
4. テキストのデザイン
5. 特殊加工
6. ケースのデザイン
1は「文芸書」等、「文字がほとんど」みたいな本のデザイン。主に表紙・カバー・帯・目次・章扉等の「本文以外」のとこのデザイン例。「どことどこを揃えるとキレイ」とか、帯の幅とかねー。勿論「紙はこれ」とかも決めるわけですよ。
2は「写真集」等、「写真」がメインとなってくる本のデザイン。本の中身の写真の配置や順番、トリミング等を行った例。ページの中の配置とかのデザインも込みでやるわけですね。
3は「ブックデザイン作業の工程」の紹介で、「話が来る」→「クライアントの意向を聞いて方向性を決める」→「案を出す」→「修正」等々、1冊仕上げるまでの流れが説明されてます。
4は文芸書とか「字がメイン」の本の「テキスト部分」のデザインについて。「1ページに何文字を何行いれるか」とか「上下左右の隙間をどれくらい空けるか」とか「行間をどれくらいとるか」とか「紙の色をどの『白』にするか」等、これまた細かくデザインされておるのです。
5は主にカバーとかで使ってる「ボコボコ」とか「穴あけ」等の特殊加工についてで、6は「箱」入りの本の「箱」のデザイン例。
ね。めっさ盛りだくさんでしょー。とりあえずこれを読んだら、家にある単行本を全部カバー外して見返したくなりますよん。「お、こんなコネタを見逃してた」とか「あ、これは目次に手を抜いてるわ」とか、再発見の嵐になること確実です。
ワタクシ的に一番面白かったのは「3.ブックデザインの考え方」かなー。作家の人から目線での「装丁はダレダレにお願いしていい感じになりました」みたいな意見ってのは、よくエッセイで登場するわけなのですが、それの逆パターンっていうか、ブラックボックスになってた部分がわかったってのが、すごく面白かったっす。
編集の人とのやりとりとかも、業種は違えど「あるあるあるー」な攻防が繰り広げられたりするわけですよ。「納期とお金」ってのは永遠のテーマですなー。
ミルキィさん自身も、この本を「編集者にも読んで欲しい」って思ってるとこがあるみたいで、要するに「ここまで考えてるんやから、そっちもここまでこだわって作りましょうよ」って意見が結構入ってたりします。
確かにねー、「そこはわからんのでお任せ」とか「そこはもー適当でいいですよ」とか、作る側からしたらちょっと下がるよーなこと言うクライアントさんは多いからなー。ほんでまた「わからん」って言いながら「予算はこんだけでよろしくー」ってことばっかし言われるわけでー。
おっと、知らん間にグチモードに入ってしまったですー(´・ω・`)
後、「4.テキストのデザイン」も「これは申し訳ないけど気が付きませんでした」な部分やったですねー。言われてみたら、本によってページのデザインのされ方とか、章扉とか、目次って違うもん。「違う」っちうことはデザインされてるわけですよ。
「本文」に関しては、出版社によって「ここはもーこっちでやります」って別作業になることも多いそうなんで、最近はデザインしない場合もあるそうなのですが、やる場合は「行の頭に1文字残ることは避ける」とか、「単語の途中での行変えは避ける」とか、「確かにそのほうが読みやすいよなー」な工夫がこっそりされてたりするのですね。
いやー、「ブックデザイン」すごいっす。こーゆー風に例をあげつつ「具体的に」仕事をちゃんと説明してくれると、本屋さんで新しい本とか見る楽しみが出来てウレシイであります。「本の中身」しか興味がなかった人も、これを読むと中身以外にも楽しみが出来て楽しくなりますよん。
※ ちなみにワタクシの家に「ミルキィ・イソベ」デザインの本、ないかな?って探したのですがなかったです。文庫ばっかしやからなー。「鈴木成一デザイン事務所」が多かったかな。
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