Mar 16, 2008

「華々しき鼻血」(エドワード・ゴーリー/翻訳:柴田元幸 )

「エドワード・ゴーリー」の絵本が大好きなワタクシ。元々はポスターか何かで見た絵が好きやったのです。特にあのやたら細い斜線で書きこまれまくった背景や模様に「すごーい」ってなったわけですよ。

ほんで絵本が翻訳されだしてから読んでいくと、今度は「ギャシュリークラムのちびっ子たち」(A~Zの頭文字を持つ26人の子供が登場と同時に死んでいくアルファベット絵本)とか「おぞましい二人」(子供を誘拐しては殺していった夫婦のお話の絵本)に代表されるよーな、「ダークなお話」に「えらいこっちゃー」となりまして。

そーなると次に「ゴーリーってどーゆー人なのかな?」と思ったので、「どんどん変に… - エドワード・ゴーリーインタビュー集成」を読んでみたわけですね。

ほな「日常を描いているつもり」「読者をちょっと不安な気分にさせたい」「文章を先に書いて、後から絵を描いている」「バレエの鑑賞が大好き」ってなことを言うてはるわけです。

なーるほどー。謎が解けたぞー。しやから出てくる人がみんなとぼけた顔してるんや。バレエの人ってみんなとぼけた顔して踊ってるもんねー(`・ω・´)

ってなことは置いといて。「文章が先で、後から絵」ってのを聞いてからいろいろ見返すと、上記であげた「内容自体にインパクトのあるもの」じゃなくて、「何でその文章」「何でその絵」って突っ込めるもんの方が気になってきちゃったわけなのですよ。

で、「華々しき鼻血」ですよ(前振り長かったっすか?)。これは「ギャシュリークラムのちびっ子たち」同様の「アルファベット絵本」です。AからZまでの26の文章と絵がセットなやつですね。で、この本はAからZが「副詞」になってるわけです。

AからZの副詞なんかいっぱいあるやろーに、「何でわざわざそれを選んだのかなー」なちょっと不気味系の単語が目白押し。「A」が「Aimlessly(あてどなく)」、「B」で「Balefully(まがまがしく)」、「C」で「Clumsily(ぞんざいに)」うさんくさいぞー。

そんな単語を使った短文が、またこれうっすらダークっちうか、ほのかに悪意が漂うっちうか、ゴーリーの世界観(ちょっと不安になる)から外れないもんになってるのがスンバらしい。それに加えて絵がこれまた「その文章にその絵がくるっすか」な「ひざをペシペシしたくなる」うまさ満開です。当然描き込みまくりです。

例えば表紙の絵ですが、左に毛皮のコートのおっさんが2人立ってて、右側に鼻を押さえた女の人が仰向けに倒れてるわけですよ。ほんでタイトルが「華々しき鼻血」って。もう一見サッパリわからんわけです。でもこれをじーっと見て「どーゆー状況やねん」とか想像を膨らますとですね。どんどん面白くなってくるわけで(逆にそーゆー楽しみ方が出来ないと、この絵本は面白くないかも)。

で、想像力過多のワタクシは、26個全部をじっくり堪能して「おー」と感心しまくりやったのでありますが、一番お気に入りは「P」の「It was in the trunk Presumably(訳:さっするに トランクの なか)」かな。絵も古いトランクがぽつんとあるだけなのですが。もー何かわからんけど怖すぎるー。いろいろ想像できすぎるー(´;ω;`)

「L」とか「O」とか「R」とか「U」とか、他にも「ここがええねーん」と語りたくなるページが山盛りなのでありますが、長くなっちゃうのでセーブしときます。「L」なんか、後ろの木の方が「L」ですわ。

文章の英文部分は手書きなんかな?この硬い字体も好きっすね。日本版のエドワード・ゴーリーの本の翻訳は全部、柴田元幸がやってるのでありますが、ちょっと古っちくてちょっと不思議な世界観を崩さないよーな丁寧な翻訳になっててええ感じです(マザーグースっぽいかな)。

ゴーリーの絵本は大きい店やと「大人の絵本」コーナーにあるので、「ちょっと見て見たいな」と思った人は立ち読みしてみてもいいかもねん。

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