Mar 05, 2008

「冷血」(トルーマン・カポーティ )

「冷血」が40年ぶりに新訳で登場したっちうことで、ワタクシも再チャレンジー。前に読んだことがあったはずなのですが、話をまーったく覚えてなかったちうことは、途中でわけわからんくなったんでしょー。

で、新訳はとっても読みやすいことになってました。登場人物が山盛り登場するんやけど、全員絵が浮かびそうな描写がされてるんで大助かりでするよ。旧訳と比べた人によると「カリフォルニア」が旧訳では「キャリフォーニャ」やったらしいし。そらキツイって。

「冷血」は1950年代にアメリカのカンザスで実際起こった一家惨殺事件を、カポーティが取材して「ノンフィクション・ノベル」ちう形にしたもんであります。「ルポ」じゃないんよね。なんで小説中にカポーティは出てきません。

その事件に関係した被害者、近所の人、刑事さん、犯人のそれぞれの目線に立って、それぞれの人が喋ったり行動を取ったりするのを「第3者目線」で書いてるんよね。なんで「実話」ちうことを知らない人は「犯罪小説」を読むように「どーなるのかなー」感満載でドキドキ読めちゃう形になってます。

ただまー、ワタクシなんかは「実話」やとか「カポーティが自分で調べまくった」とか知ってるわけなので、「こーゆー描写をしてるっちうことは、こーゆー人にこんなことまで聞きに言ってるっちうことやんなー」ってのを想像しながら読んでたわけで。で、そんな読み方すると一切登場しない「カポーティ」が一番印象に残るわけですね。

なので、最後まで読んだ後の感想も「いやー『ノリノリで書いたよん』ちうもんを読んじゃったー」やったですね。もーマンプクでするー。こんだけノリノリのノンフィクション読んだら「一番『冷血』なんはカポーティちゃうか」とか突っ込みたくもなりました。犯人は2人組やったんやけど「ペリー」の方に肩入れしてたっぽくて、ペリーの心境描写なんか「わかったわかった。チミが気に入ったのはわかった」ってくらいの念入り度でした。

で、「冷血」は「冷血」で単品で読んでもすごーく濃くて読み応えがあるのでありますが、ここはやっぱしカポーティの伝記である「トルーマン・カポーティ」も一緒に読んじゃうのがお薦めです(上巻には「冷血」の被害者と犯人の写真も載ってるよ)。

カポーティ自身のインタビューとかもあるし、当然「冷血」を書くにあたってどんな取材してたのかもいろんな人が証言してるのですが、これがまた「みんな、ぶっちゃけすぎやでー」なことになってます。

カポーティはホモやったらしいのですがペリーとできてたんちゃうか?とかね。実際書きかけの「冷血」も見せてたみたいやしね。刑事さんなんか「あそこの描写はフィクションだー」とか「俺は目をつぶったりしてないのだー」とかチェック入れまくりやし。みんないろいろ言いすぎー。読んでるワタクシは面白かったけどー。

ってなわけで、映画「カポーティ」(映画化されたんよね)見た人には「冷血」を。「冷血」読んだ人には「トルーマン・カポーティ」を、ってな変則的なお薦めをしちゃうワタクシなのでありました。ちなみに「冷血」は、カンザスシティで「高校生の必読書」らしいっすよ。

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