Dec 21, 2007

「本棚探偵の冒険」(喜国雅彦)

いやー、もう「お見事」って感じっすね。「そこまでやってたら逆にえらいわ」とへらへら笑けてしまう古本マニアの暴走の記録であります。

「日本一の男の魂」でおなじみ、漫画家の喜国雅彦が推理小説マニアってのは、これを読むまで知らんかったワタクシ。そーいえば、『このミス』の表紙とかも書いてたよなー。なるほどー、そーゆーことなのかー。

ってなわけで、これは喜国雅彦の初エッセイ本。内容は「本(特に古本)」であります。好みのジャンルは推理もん。それも昭和初期のおどろおどろしいあたり。ど真ん中が「乱歩」「横溝」ちうことで、古本屋に行っては集める集めるー。古本市で買う買うー。

当然本がいっぱいになるのできっちり収まるよーに本棚を作ってみたり、それにも飽き足らず他人の本棚を好きに並び替えに行ってみたり、「函欠け買っちゃったから」と函作ってみたり、「本の表紙がかっこいいから」って「トレーディングカード」作っちゃったり、「そーゆー人がいるいるとは聞いてたけど、ほんまにいたよー」な実態を思いっきり見ることができちゃうのであります。

もう「読みたい本を買う」ってレベルじゃなくなってきてるんで、「とりあえず読みたい派」のワタクシとしては目からウロコな「古本マニアの心意気」がわかるっちうか、わかったところでどーしよーもないのでありますが、ま、そこは話が面白いのでおっけー。

本買ってなくても「一日でポケミスを何冊発見できるか」の「ポケミスマラソン」や、「角田喜久雄(つのだきくお)が『カ行』に置いてあるのを直したいー」と、いろんな本屋に行って片っ端から差し替えまくったり(これは続編の「本棚探偵の回想」でやってた)の、「本屋めぐりネタ」も豊富です。

マニア特有のハイテンションな盛り上がり方なのですが、そこはギャグマンガ家。ちゃんとネタに昇華して文章になってるため楽しく読めちゃうっすよ。ちなみにネタの向かう先の80%は「暴走」です。

で、「冒険」と「回想」を「こんなんありえへんってー」とか思いながら読んでたワタクシではありましたが、「ほなこの気持ちがわからんか」ちうと、「ちょっとはわかる」ってとこがチラチラ出てきちゃうとこが憎いとこ。

例えばワタクシの場合、引越しの時に全部捨てた「有閑倶楽部」の「8巻だけ」捨てないで置いてあるし。「出直しといで! 」も初期の装丁のんで揃えちゃったし。古本屋で何気に買った本が初版やったら喜んでるし。あー、ちょっとやばいっすか。やばいかもー。「これはもう手に入らないかも」とか思い出すとやばいのかもー。

「見た目」のこだわりもわからんでもないんよなー。ワタクシ「光文社文庫」と「徳間文庫」の背表紙が苦手なのですが、えらいもんで家に一冊もなかったっすね。本屋でその棚に寄り付いてないようです。ちなみに好きな順は「創元推理文庫」「講談社文庫」「ちくま文庫」「角川文庫」「幻冬舎文庫」「双葉文庫」「新潮文庫」「文春文庫」かなー。ちなみに喜国さんは本棚に「出版社別」で並べるそうですが、ワタクシばらんばらんです。

このエッセイは、「小説推理」で今も連載されてます。「冒険」の続きの「本棚探偵の回想」も文庫で出てまするよ(こちらは暴走度90%)。連載は「本棚探偵の生還」と名前を変えて続いてまして、こちらもそのうち本になることでしょう(「冒険」「回想」「生還」は「シャーロック・ホームズ」からでする)。単行本はいずれも函入り検印付きの豪華版やそうですよ。

この本を読んでみて、「喜国家の本棚はどーゆーことになってんねん」と思われた方は、こちらにお写真付きで紹介してあるので、見て「おー、これがあのネタのあれかいなー」と楽しんでみてくださいな。

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