Jul 27, 2007
「フェルマーの最終定理」(サイモン・シン)
むかーしむかし、17世紀のフランスに、フェルマーさんちう数学者がおりました。数学の問題集「算術」って本の隙間に、「ボクもこんな定理を見つけたよん。証明も出来たけど、ここには書ききれないやー」と、いくつかの数学の定理だけを書き残していました。言うたら「答えだけ」書き残してたわけっすね。
後から、その落書き部分が発見されて、いろんな数学者さんが「よっしゃ、その答えが本当かを証明してやろー」と頑張りました。大半は証明できたのでありますが、最後に一個だけ「それ、ほんまに合ってるの?」な問題が残ってしまいまして。
この最後まで残った定理が「フェルマーの最終定理」ってやつなのであります。結局こいつがちゃんと証明されたのは、なんと「1994年」。最近っすよ。360年引っ張ったっちうことで。フェルマーさんったら、人騒がせさんだー。
例えば、「頭の体操(ワタクシこのシリーズ大好き)」みたいなクイズ本を買ってきたとして。問題の次のページに答えだけ書いてあって、「何でその答えなん?」って説明が書いてなかったら気持ち悪いっすよね?それと良く似た話なのであります。
この本は、そんな人騒がせな謎に振り回された数学者さんの歴史を追いかけたもんであります。イギリスのBBCでドキュメント番組にもなってて、これはその番組制作にかかわったサイモンさんが書いた本であります。
なので、「数学の歴史」ちうより「数学者さんの人間ドキュメント」って構成になっておりまして。でも数学苦手な人にも数学の証明の歴史がわかるようになっておりまして。「ちょっと数学できる人」気分まで味わえちゃうのであります。
360年、忘れられてたわけじゃなくて、いろんな人が挑戦し「ここまでは出来たんやけど・・・ c(-。-,,)c)~」の連続なのがまた凄い。「嘘の定義なんちゃうの?」って意見も「こーゆー場合があるので嘘です」って証明しないと成立しないし、ほんでまた、そんな証明も出ずじまいで謎は深まるばかりっす。
一口に「360年」って言っちゃってますが、紹介されてる数学者さんの背景には「マリー・アントワネット」や「ナポレオン」や「ヒトラー」が登場ー。証明されたのは最近なので、当然最近の背景も背負ってきてます。いやー「世界史ってほんまにあったことなんやー」、ってあたりまえな事も実感できちゃって、そんじょそこらの大河ドラマどころやないことになっておるのでありますよ。
決闘で死んじゃう人もいれば、女やっちゅーことを隠しながら数学やってた人もいるし、日本人も登場してきちゃうし、戦争にからんでる人はドイツ軍の「暗号解読」とかに盛り上がってるし、当然そんなん考えてるだけでは生活できないから、みんないろんな仕事をしながら証明にチャレンジしてるわけですよ。大学でわけわからん講座をわざわざ作って、生徒が誰も来なくなってからその時間を証明にあてるとかね。頭いい人は考えることが違うっすねー。
しかもサイモンさんがまた、そんな人たちの状況を「見てたんかいな」と言いたくなるくらいの密着度で、報告してくれちゃってるわけですよ。いやー、ほんまに見てたんかもかも。360年分。
さて。ワタクシ、そんな「三世紀も引っ張りまわした問題っちうのは、さぞかしややこしい定理なのでしょーなー」と思っておったのですが、これが一目で覚えられる単純なもんなのであります。
「xの2乗 + yの2乗 = zの2乗」ってのが、「ピタゴラスの定理」ってやつっすね。「直角三角形の斜辺の長さを z とし、その他の辺の長さを x, y とした時」、この式が当てはまるってやつです。
これの「2乗」ってのを「3乗」ってすると、もうこの式に当てはまる数がなくなっちゃうぞと。「4乗」「5乗」と増やしていってもないぞっと。
ってなわけで、「フェルマーの最終定理」ってのは
「xのn乗 + yのn乗 = zのn乗」って式にあてはまる自然数 x, y, z (0以外)は存在しない。(nが3以上の自然数の場合)
いやー、言い切ってるよー。「存在しない」やもん。そら「ほんまかい」ってなるよなー。
1816年から賞金とかもかけられたんで、結構素人さんも頑張ってたらしいのですが、最終的に提出されたワイルズさんの証明論文は200ページくらいにもなってたらしくて。そらフェルマーさんも、余白に書けるもんやないっちゅーことっすよね。
数学界では、まだまだ証明されてない定義ってのが、いろいろあるらしくて、この本でも最後にいくつか紹介されてます。こんなんを今日もどっかで誰かが頑張って証明に盛り上がってるのかと思うと、なーんかワクワクするでありますね。
※ サイモン・シンの「暗号解読」も面白かったっす。感想文はこちら
サイモン・シン著「フェルマーの最終定理」を読んで
サイモン・シン著作のドキュメンタリー数学小説『フェルマーの最終定理』(青木薫訳)を読みました。実は読み終えたのはおよそ2ヶ月前だったのですが、なかなか感想を書けずにおりました。それは、文庫本で495頁という大作であること、それから数学とい
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