Apr 22, 2007

「香水 - ある人殺しの物語」(パトリック・ジュースキント)

大昔に読んだときにいい印象が持てんかったのに、今読んでみたら「あ、何かおもしろいやん」と思える小説があったりするワタクシ。最近の例でいくと「香水」です。映画化されたからもっかい読んでみたんやけど、これが結構面白かった。なんでやろ?なんでやろ?

さてさて、「香水」ちう題だけありまして、キーワードは「におい」です。これがまた「いい匂い」から「やーな臭い」まで、とにかくごっちゃまぜ。ワタクシ自身は昔から鼻炎気味で鼻があまりよくない人なのでありますが、これを読んで「うわー、鼻悪くてよかったー」と思わずにはおれません。

舞台は香水製造が盛んやった18世紀のフランス・パリ。下水道とかも完備されてないから、町中がすごーい臭いで覆われてた時代っすね。そんなとこで一人の男の子が生まれました。その子は全く臭いが無い子で、でもすごーく鼻がよかったのですね。で、その子のその後には「そんだけやのに、何でそーなっちゃうの?」な展開が繰り広げられちゃうわけで。「あららららー」ですわ。

こーゆーある種「転落もの」を読むと、ワタクシはいつも「どこで間違っちゃったかねー」と思うのでありますが、これはもうはっきり「ここ」って言えるかな。「それはあかんやろ」ですね。「なんでやねん」ですわ。言い方変えたら「何しとんねん」ですわ(あんまし変わってなかったっすか?)。ほんでまたこれが読み出したら止まらんのですね。「どーなっちゃうのー?」の連続なのです(確か昔もそーやった)。

とにかく最初から最後まで、「あんな臭い」「こんな臭い」の描写の連続であります。人や場所を描写するときにも、見た目より「臭い」で描写されちゃう徹底振り。それがまたそんなにいい臭いじゃないのが、変にリアリティあるではないですか。

自分に臭いを付けようと、自分の臭いを作成するとことかあるのですが「そんなもん混ぜちゃうっすか」な魔法使いのおばあさんもビックリ材料の混ぜっぷりで、でも「その時代の人の臭いって、そーやったんかなー」とも思えるし、「自分がそんな臭いやったらややなー」と自分をクンクンしちゃったり、鼻が通常の150%くらい忙しくなったりします(でも鼻炎やからわからないの)。

とにかく昔読んだときは「気持ち悪いよー」やったのですが、今回読んでみたら「なーんかキレイに締めたよなー」って感想に落ち着いてビックリのワタクシ。一口で言ってしまうと「いろんなもんを放り込んでえらいことになったカレーの鍋を、最後はゴムベラでキレイにすくって空にしちゃった」ってな話に思えたのであります。でもこのラストをどうとるかは、賛否両論ありそーっすね(好みも)。

ってなわけで、みんなにお勧めってのは思わないのですが、「読んだことないよーな変なもんを読んでみたいぞ」ってな、チャレンジャーな方にはお勧めっす。たぶん「げ」ってなれるっすよ。

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