Mar 05, 2007
「文学賞メッタ斬り!」(大森望、豊崎由美)
本屋さんで「○○賞受賞!」みたいな帯やらPOPやら、やたら見るわけですが、その「○○賞」の意味自体がわけわからんってことはありませんか?ワタクシはすっかりわけがわかっていない人であります。賞とかもらってるんやったら「どれよりも面白いはず」とか思っちゃうわけですよ。でもでも「賞」の大半はそんな決まり方をしてないわけっす。
ってなわけで、ワタクシに出来ることといえば「過去の受賞作を試しに読んでみる」って方法に走るしかないわけで、「『芥川賞』合わんわ」とか「『ミステリー大賞』おもしろくないなー」とか「『メフィスト賞』アタリとハズレの差がでかすぎ」とか「『直木賞』は受賞作のちょっと前ぐらいが面白いよね」とか「『江戸川乱歩賞』でデビューはハズレ少ないかも」とか「『このミス』は総合順位よりは、後半にある『わたしのベスト5』の方があてになる」とか、勝手に分析するにとどまってたのであります。
で。「文学賞メッタ斬り!」は、そんな途方にくれてたワタクシのために、あらゆるジャンルを読みまくりの書評家のお二人さんが解説してくれてます。選出対象が「公募もの」なのか「本年度発表分」なのか。ジャンルが「純文学」「エンターテインメント」等々分かれているのか、ノンジャンルなのか。「新人」対象なのか「中堅」「大御所」対象なのか。審査員が誰なのか、はたまた一般投票なのか。
いやー、こんだけでもはっきりさせて頂けただけで、かなり助かるっちゅーもんです。しかも一目でわかりやすくするために、ちゃんと最初の方に「ひと目でわかる文学賞マップ」までついてます。公募の新人賞からノーベル文学賞まで、完全網羅っすよ。わかりやすーい。便利ー。なるほど、公募の新人賞でも「○○大賞」って付いてるの多いんやー。もうわかりにくいから公募は「○○新人賞」に統一してほしーぞー(レコード大賞っぽく)。
内容のほうは賞ごとに、各賞の受賞作を振り返りつつ、「傾向」やら「内情」やらを説明してくれております(内容の一部はここで読めるよー)。が、やっぱし突っ込みどころが満載なのは「芥川賞」と「直木賞」でしょう。選考委員の選評が出るもんね。「読んでないやろー」とか「それをそー読めることが信じられない」とか突っ込み放題なのでありますが、まー、引用されてる分だけみても言われてもしょーがない選評が目白押し。並べられると圧巻です。しかも自分で「辞める」って言わん限り、ずーっと選考委員が同じらしいっすよ。あららららー。
その他の賞に関しても、公募ものならその作者のその後はどーなのか(早い話がアタリを引き当ててるのか)。受賞させる理由が「作者」なのか「作品」なのか。選考委員は誰が担当しているのか等々。歴史を辿って説明してくれてます。なので、好きな作品が多く選ばれてる賞を探せば「自分の好みに合う賞」が見つかるかもっすねー。ワタクシの場合公募なら「メフィスト賞」(「6枚のとんかつ」とかあるので注意)と「江戸川乱歩賞」出身者(若者限定)が比較的アタリが多そうかなっと。後、林真理子がけなしたものとかも狙い目かも(例「バトル・ロワイヤル」)。
賞の説明をしながらも、「この作品を受賞させないなんてー」とか「こっちよりこっちでしょー」みたいな感じで、数々の本の書評も載ってるので「お、そんなに一押しなら読んでみようかな」とか、「あれは面白くなかったけど、そっちの方が面白いならそっちを読んでみようかな」みたいに、読みたい本が続々登場してくるのも楽しいっす。ま、好みはあるけども。ワタクシは舞城王太郎は「煙と土と食い物」が合わんかったけど、ここでは舞城絶賛やからなー。
続編の「文学賞メッタ斬り!リターンズ」では、前作以降の芥川賞・直木賞に関して突っ込みまくっております。2004年度以降かな。ここ数年の直木賞「東野圭吾を落としまくり」がどんなことになってたのか、かなり興味しんしんで読ませていただきました。6回目の候補でやっと受賞ー(「容疑者Xの献身」)。
ずーっと渡辺淳一が「推理小説だから」とか「人間が書けてない」とか批判しまくりやったらしいのですが、結局は自分のお気に入りの文壇バーのおねーちゃんが「圭吾くん好きー」ちうたから。ってのが原因らしくてですね。そのネタがホンマかウソかは置いといて、面白いし説得力あるのでそれが正解にしよー。伊坂幸太郎も5回落とされてるので、次あたりで(少々面白くなくても)あげちゃってください。もー「作家を評価する賞」ちうことでええやんね。直木賞は。
6回連続で芥川賞落とされた島田雅彦を加えてのトークショーの内容も、TOPに収録されてて、これがこれで面白いっす。もうグレグレっす。もうこんな人を出さないためにも、選考委員さんはちゃんと本を読んであげてねー。
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