Jan 16, 2007
「巨人のイタチョコの星のシステム」(ラショウ)
IT業界で一発大当たりを狙おうと思っているクリエーターのみなさん。「mixi」社長とか「はてな」社長とか「ライブドア」社長とかの「こーやって当てちゃいました本」ばっかし読んで、「よっしゃー」と盛り上がっていませんか。そーんな会社より見とかんとあかんのが「イタチョコシステム」です。この「巨人のイタチョコの星のシステム」は、そんなイタチョコの軌跡を「Mac Fan」で連載してたもんであります。
「イタチョコシステム」はラショウさん(「ボコスカウォーズ」作者)が始めた「MAC用ゲームソフト制作」の会社です。いやー、ギリギリだー。へなちょこだー。でも男前やー(特に相方オーツキさんが)。「好きなことをする」ってのと「儲けを出す」ってのの両立がいかに難しいか、ちうとこです。クリエーターが作品を仕上げるために、いかに雑用があるかっちゅーのもリアルです。バイトを雇うための利益を出すのにも一苦労であります。
ラショウさんとオーツキさんで、チマチマゲームを作りこみ、売り込みに行ってはまた作り、売れて喜び売れずに凹み、ちょっとMACで人気が出たと思ったら「WINに移植しませんか?」「PSに移植しませんか?」ってな悪魔の言葉がやっぱし悪夢に変貌と、ここまで「次から次にうまくいかない」ってのがすごすぎですが、今もちゃんと健在ですから。グッズ販売の店は開けたり閉めたり状態っぽいですが。そして日記は相変わらず切羽詰ってるっぽいですが、楽しそうです。
ワタクシはずーっとWINDOWSなので、噂には聞いてたけどここのゲームやったことなくて。でも「ヘナチョコゲームセレクション」で、WIN版が出てるってことで(「ウイルスチェック済」表示が泣かせるっす)、早速「あの素晴らしい弁当を2度3度」を購入し(連載中にWIN移植、PS移植に失敗)、日々へなちょこ弁当作成に燃えております。弁当作って山盛り仕入れて、お風呂に入って結果を見るってだけですが。
いやー、この暗ーい抜けた絵がなんともよいです。変に軽やかーな音楽もよいです。保存も出来ないやりっぱなとこもいいです。「おいしいよー」とか「うれないなー」とか「まいどっ」とかの生声も捨てがたい。「あの部屋で録音したんやー」って本を読み直してからやると、また楽しくなるっすね。こんなんが昔から遊べたMACの人が羨ましいかぎりです(PS「MOON」が好きな人は、こんなん好きなはず)。
連載は4コマやったのですが、それに文章が付き、更にその次点での持ち物がゲーム画面形式で描かれてまして。MACが増え、椅子が増え、コピーが増え、コピーが壊れ、バイトが増え、バイトが消え、軍資金が増え、資産が消え、相殺されて、軍資金だけ更に増え。最初から最後まで登場のジムニーがまた素晴らしいー。こいつあってこそです。
一貫して「あー、えらいこっちゃえらいこっちゃ」とこけまくりの4コママンガでありますが、各連載に追加された文章の方では「長いものに巻かれたくなくて、意地になりすぎてたかなー」とか「自分だけじゃなくて、他の社員のことを考えたら、あーしなかったほうがよかったのかも」とか、結構まじめな文章が隠れてたりしてるので、こっちはこっちで読み応えがあるのであります。
最後のページの「著者紹介」のとこの「無一文から起業し、未だ無一文という奇跡的な経営術。『マネはできないし、またしたくもない』と各界から賞賛」って文が、またこれ男前。絶版らしいので古本でしか手に入らんっぽいですが、「復刊ドットコム」で復活させて、本屋のビジネス本のとこに並べてほしいもんであります。
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