Dec 12, 2005

「大誘拐」(天藤真)

もう何回も読んでるし、ストーリーも落ちも全部わかってるワタクシでありますが、それでも偶に読み直してしまいたくなる本ちうのがあるわけで。「大誘拐」はその名の通り、誘拐がテーマのお話であります(映画化もされてるから、ストーリーは有名かも)。

誘拐されるのは、和歌山の山奥の大地主で大富豪の、柳川家の当主とし子刀自(おばあちゃん)。地元ではめちゃめちゃ人望の厚い人であります。誘拐するのは刑務所から出所したばっかしの小僧3人組。ヘタレなので「狙うなら年寄り」と決め、自分の山歩きをしてたおばあちゃんを狙い、無事(?)連れ去ることに成功します。が・・・。

もー、何をどこまで書いたらネタバレになるのか訳がわからんので、内容に関してはこれ以上やめときますが、もーねー、ただ言えることは「おばあちゃんがかっこいい」ちうことで。惚れ惚れしますね。「どこがかっこいい」ちう話は、「あそこでのこのセリフがー」とか「この行動がー」とか具体的になっちゃうんで、ちと言うのはガマンしときますが、あー言いたい言いたい。

ストーリーも「誘拐」なんで「どーなるの?どーなるの?」ってワクワクもんなのですが、「何回も読みたいな」と思わせるのは、「おばあちゃんを、また見たい(会いたい)っすよ」ってとこなのでしょう。和歌山の山奥が舞台なので、全編に漂ってるゆるーい関西弁も、これまたええ味なのです。またこのしゃべり口調が品があるわ、威厳があるわ、優しいわでいーのであります。

何よりすごいのが最後まで読み終わった時の後味の良さっすね。「あーよかった」って思えて、「こいつ嫌い」って人が一人も出ないです。大概、腹立つヤツが一人くらい出たりするっしょ?いないもん(断言してみました)。しかもみんないい人に見えちゃうくらいっすよ。ありえないくらいお見事っすね。

Amazonのレビューで「斬新な展開が無上の爽快感を呼ぶ、捧腹絶倒の大誘拐劇」って書いてありますが(読んだ人ならたぶん納得)、「なんで誘拐やのに?」と思われた方、騙されたと思って読んでみて下され。腹を抱えるかどうかはわかりませんが、爽快感の方はかなり保証します。途中から「うーわー」って口開くと思われます(ワタクシ開いてました)。

1978年に出されたものでありますが、そんな古さは感じさせないっす(車が「マーク2」ちうくらいかな)。「第三十二回日本推理作家協会賞受賞」当然っす。ワタクシあまりにお気に入りなので、この感想文の栄えある「100個目」に選んでみました。読んでない方は是非。

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