Nov 27, 2005

「百器徒然袋 - 雨 」(京極夏彦)

タイトルだけ見たら「また京極ったら、わけわからん」とお思いでしょうが、中身は「『榎木津礼二郎』祭り」と思っていただければ間違いないっす。帯に思いっきり「そうだ!僕だ。お待ちかねの榎木津礼二郎だ!」とある通り(ちうか、そんな登場が許されるのはお前だけじゃ)、「榎木津礼二郎」とヤツの主催する「薔薇十字探偵社」のお話であります。

京極堂シリーズを読んでない方に説明しますと、「榎木津礼二郎」ちうのは「京極堂(古本屋さん)」のお友達で、超ハイテンションでええとこのボンで、すんごく男前の探偵さんであります。「姑獲鳥の夏」が映画化された時は、阿部寛がやってたっすよ。

中には中編が3つ入っておりまして、全部「謎か事件がおこる」→「探偵さんに話を聞こう」→「薔薇十字探偵社の皆さんに話がはいる」→「京極堂巻き込まれる」→「榎木津が大暴れしてたら、なぜか事件解決(でも周りのみんなは全体像がつかめてない)」→「京極堂に説明してもらう」の流れとなっております。

で、ワタクシ「こんな流れの話、どっかで見たよなー」と記憶をえんえんと辿ってみましたところ、「パタリロ!」に行き着きましたですよ。

上の話の流れ図の「榎木津」=「パタリロ」、「京極堂」=「バンコラン」、「薔薇十字探偵社の皆さん」=「タマネギ部隊」とすると、もうスッキリであります。たまに木場修がからんできますが、「マライヒ」か「ヒューイット」あたりに当てはめると、これまたピッタシくるのではないかと。ぜひこのパターンを思い浮かべて読んで頂けると、2度おいしいと思われます。

人物がこれまでの京極堂シリーズとかぶっておるので、位置的には「外伝」になるかと思いますが、中編になったちうことで京極堂の長々した講釈が、ちょっぴり短めになっております。ワタクシ的には、これぐらいがいいな。しかも話の中心が「あの」榎木津礼二郎なので、そんなに重苦しい話にもなっていかず、読んでるこちらとしては「榎木津、何やらかすのかしらん?」ってな軽いモードで読めますよん。

榎木津が「ええとこのボン」って設定も、ここではいかんなく発揮されておりまして、ちょっと「富豪刑事@筒井康隆」な空気も楽しめまするね。「最後まで名前を覚えてもらえない依頼人くん」って設定は、「古畑任三郎」の向島くんを彷彿とさせるし、「なーんかいろんなもんが入ってるよなー」って感じで、それを探すのも楽しいかと思われますよ。

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