Nov 12, 2005
「オリエント急行の殺人」(アガサ・クリスティー)
もうすっかりオチまで有名やろうと思われるもんを出してきたので、「何をいまさら」と言われそうでありますが、たぶんこれが、初めて1冊読みきった文庫本やと思います(早川やったかどうかは忘れたけど)。小学校6年くらいやったかなー。
それまでは子供用の挿絵が入ったような本しか読んでなかったのでありますが、そんな子供用の「Yの悲劇(エラリー・クイーン)」で「推理小説面白い!」ってなり、これを一冊読みきって「文庫本には面白い本がいっぱいあるんやー」と確信したことが、本好きのルーツやないかと思うのであります。
さて「オリエント急行の殺人」、もうそのまんまでありますが、大雪で立ち往生したオリエント急行内で、一人の男の人が殺されます。乗客にはみんなアリバイがあります。乗り合わせた名探偵エルキュール・ポアロが推理に乗り出します。ってな話としてはベタなことになってます。
すっかり話の中身もトリックも犯人も覚えてるのに、何故かいまだに何回も読み直してしまったりするのは、ここでのポアロがとても紳士的なことと、登場人物(乗客も車掌さんも)一人一人がしっかり書かれてて「映像を想像しながら読む派」のワタクシとしては、その映像を気に入ってるちうことでしょう。
立ち往生した列車が舞台なので、話の大半は乗客の人たちの尋問が大半なのですが、この乗客がまたこれ豪華なキャラクター揃いで。公爵夫人とかも登場してくるし、階級社会の雰囲気もこれまた「オリエント急行」ってなゴージャスな舞台に相応しいっす。乗客が多いとごちゃまぜになりそうですが、一人一人特徴的に書かれてるので、まずごっちゃにはならないっすよ。
この本、推理小説に不可欠な「謎がわかって『おー、それはすごい』」なビックリも当然あるのですが、ワタクシ的には、それ以外の底辺に隠れてた人間模様の方が印象深くって、「推理小説」ちう枠にいれてしまうのは「もったいないよなー」と思ってしまいますね。ポアロが最後に「ある選択」をさせるのですが、ワタクシここのポアロが大好きで。ここだけが読みたくて、何回も読んでるんかもしれません。
「あー、犯人が○○のやつやろー」としか知らない人には、一回読んで「それだけじゃないんや」ちうのを味わってほしいっすね。映画化もされてるけど、かなり人間ドラマとして盛りだくさんでありますよ。
でもねー、ワタクシこの本が「初ポアロ」やったので、ポアロもんを一通り行ってみたのですが、結局これを超えたと思えたもんがなくて。思わず「ミス・マープル」に走ったっすよ。
※ その後、調べた結果、ワタクシが持ってたのは「オリエント急行殺人事件」新潮文庫版のほうやったことが判明。ハヤカワとどー違うか読み比べてみよーっと。
オリエント急行の殺人(アガサ・クリスティー 著)
シリヤのアレッポ駅、冬の朝の5時。
一仕事を終えた後、フランス陸軍の若い士官に見送られ、
タウルス急行に乗り込むエルキュール・ポアロの姿があった。
スタンブールでのんびり休暇を過ごすはずだったポアロは、
電報で呼び出され、急遽ロンドンに向かうはめになり....
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