Aug 11, 2005
「絡新婦の理」(京極夏彦)
「じょろうぐものことわり」ですわ。京極堂シリーズ第5段であります。「魍魎の匣」ですっかり「木場修大好き」になったワタクシ、「狂骨の夢」「鉄鼠の檻」がどうもイマイチ乗り切れず、「これが面白くなかったら京極堂はもーええわ」の気分で読み始めた「絡新婦の理」でありますが、最初っから木場修が登場してきたので「おっけー」とノリノリになってしまいましたとさ。
それにしても何でワタクシ、ここまで木場修に盛り上がってるんかが自分でも謎やったので、読みながら「うーんどこがいいのかなー」と考えてみたところ、「頭悪くない」「他人の話を聞ける」「自分の意見を言える」「行動力がある」と、どー考えてもめっちゃいい男な条件が揃ってるではないですか。もー、宮迫なんかにやらす役じゃないっす(映画は見てません)。
ちうかね、今回は京極堂と榎木津と木場修の「登場シーン」はかなり力入ってたよーな気がするっす。最初の登場シーンじゃなくて、その場その場に「到着しました」って時の「登場シーン」っすよ。何か映画にしたら映えそうな登場の仕方やったなー。ワタクシみんな男前に見えてしまったっすよ(木場修にはもれなく声援を送りました)。
さて、そんなキャラ萌え話は置いといて。ワタクシ最後まで読んだ時に、もう一回最初から読み直したのでありますが(この本でこれをやった人は多いはず)、読み終わってぼーっとしながら「これって最初にどこまで決めといて、文章にしていったんやろー」ってな「創作過程の謎」でいっぱいになりましたですね。
普通の推理小説やったら、いろんな複線が最後の謎解きの時に「あのときのあれが」とか「そーいえばあんなことが」とか、結びついて「おおおお」ってなるわけですよ。で、そーゆーのって読んだ後に「あー、書き始める前に『解決に繋がる複線をこの位置とこの位置に置いて』、ってことを決めといたんやなー。」ってな創作前の設計段階がある程度想像つくわけなのですよ(そーゆーのって読んだ後に「うまいっ」って言ってしまうワタクシ)。
しかーし、この「絡新婦の理」は「うまいどころの話じゃないってー」であります。「どーやったらこーなんの?」であります。
つまり、通常の推理小説の「創作前の設計レベル」じゃ絶対足らないわけっす。複線も絡みも多いわ細かいわ。まさしく「蜘蛛の巣」状態であります。「設計の段階でかなり詰めとかんと、1つの話にまとめるなんて無理やろー」な話なので、これがひとつにまとまってるちうことは「そんな想像できないくらいの設計をしたちうことなのねん」ってなわけで、驚愕に値しまするね。いやー「匠の技」って感じっすよ。
事件がいろんなとこで起こって、おなじみのメンバーがいろんな目にあったりなんかして、ってな「オールスターキャスト」状態でありますが、話が全然混乱しないのは「情景がすぐ浮かぶ」「登場人物がすぐ浮かぶ」ってな「描写のうまさ」に尽きるのではないかと。複数の人がいっぺんに喋ってても「この喋り方はこいつ」ってわかるよーになってるからテンポよく会話も読めちゃうし。喋り口調じゃなくて「こーゆー時そんなん言うやつはこいつ」ってな分かり方まで出来ちゃうとこがすごいっす(レギュラー陣じゃなくても)。
と、まー早い話が「京極夏彦すごい」ってことに、ワタクシ第5作目にして気が付くことができまして。よかったよかった。おまけに今まで「無駄やわ」と流し読みしてた「京極堂の長語り」が、初めて「意味あるもの」と理解できました。「長々と語らないとあかんかった」って理由があったもんね。これくらい噛み砕いて貰わんとダメなワタクシでありますが、「塗仏の宴(支度と始末)」は大丈夫なのでしょうか?。購入済みですが。それとも先に「どすこい」とかに行っといたほうがいいのかなー。
※ これすごいっす。レゴでいくつかのシーンを再現してるっす。読んだ人は見とくべし。京極堂かっちょいぞー。
スパイダーウーマン
こちらは今となってはちと記憶が薄れてますが
「風が吹くと桶屋がもうかる」というテーマでしたよね?
楽しんで読みましたが、「実際そんなにうまくいくかなー(笑)」と。
でもほんとうに女郎蜘蛛さんみたいな人がいて、世の中裏からあやつっているとしたら、けっこう怖い話ですね。
再現レゴ、爆笑しました。すごいです。
夏なのでウチのほうで『姑獲鳥の夏』(本のほう)について書きました。TB送っておきますのでよかったらごらんになってみてください。
あと、こちらリンクさせていただいてもよろしいでしょうか?
SGA屋さん、こんばんは。
>「実際そんなにうまくいくかなー(笑)」
これは、まさにそーですよね。
これに関しては、蜘蛛なだけに、罠をはるだけはって「かかった後はしらないよーん」ってことにしてたら、「結果的にこんなんなっちゃった」な感じかなー、とか思うことにしました。
レゴは見つけたとき嬉しかったですねー。
他の作品のんも作ってはったんで、今までのんにもリンクを追加しちゃいました。
>こちらリンクさせていただいてもよろしいでしょうか?
リンク全然大丈夫ですよ。よろしくお願いします。
文庫版 絡新婦の理 |京極 夏彦
京極堂シリーズ第5弾。1,374ページである。考えてみると京極夏彦のこの語り口自体が既に陰陽師である。言葉のワザを駆使して憑き物を落とす京極堂とやっていることは同じだ。喋っているか本になっているかの差だけである。読んでいる我々は皆幾分病んでいて、憑き物落としを必要としてるからして、読後感は憑き物が落ちたような達成感なり大悟なりがあるのだ。このページ数が陰陽師である。これだけ長々とした言葉の連続こそ
文庫版 絡新婦の理
京極堂シリーズ第5弾。1,374ページである。考えてみると京極夏彦のこの語り口自体が既に陰陽師である。言葉のワザを駆使して憑き物を落とす京極堂とやっていることは同じだ。喋っているか本になっているかの差だけである。読んでいる我々は皆幾分病んでいて、憑き物落としを必要としてるからして、読後感は憑き物が落ちたような達成感なり大悟なりがあるのだ。このページ数が陰陽師である。これだけ長々とした言葉の連続こそ
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