Jul 23, 2005
「依存」(西澤保彦)
推理小説好きが年に一回はチェックしてるであろー「このミステリーがすごい!」って本があります。その名の通り「これはすごいぞ」ってお勧めを毎年ランキング形式であげてるのであります。この年末に出されてる本を、ワタクシ毎年購入してるのでありますが、なんせ「文庫派」なのでランキング上位の本に関しては「文庫になったら読もうっと」レベルで参考にしてるのであります。
ってなわけで、この「依存」。2001年のランキング8位であります。当時はハードカバーやったんで文庫待ちやったのですが、とっくに文庫になっておりまして。しかも「タックシリーズ(匠千暁と高瀬千帆が登場する話)」の第5作って聞いて「他のタックシリーズも一から読まんとあかんがなー」ってことで、ちょっちほっとかれておったのであります。で、このたびやっとタックシリーズに手をつけまして。「子羊たちの聖夜」と「スコッチ・ゲーム」と読み進め、やっとたどり着いたよー「依存」まで。(ちなみにワタクシは第3弾からスタートしたので、第1弾から読みたい人は「彼女が死んだ夜」、「麦酒の家の冒険」を読まれてからどうぞ)
さて、こっからが感想でありますが。
「いやー、ウサコがいてくれてよかったよー」ってのを、読んでいきながら何回思ったことか。ドラマ化とかされたら、ボンちゃん(ボアン)先輩とウサコのラストシーンは、こー下から煽った感じでバッチシ決めて頂きたいっす。ボンちゃんはジャニーズ系じゃない方向で。ウサコは池脇千鶴が浮かんでたんやけど、うーん。
ってなわけで、もうこのラストシーンだけでワタクシ的には「おっけー」ちうことにしたいくらい、ウサコとボンちゃんのラストシーンがあまりにいい感じで。ウサコはええやつやしボンちゃん男前やし、いやー、よかったよかった(おわりかい)。
ちうかね、これはタックの過去話がメインなのであります。大学のセンセのとこに友達みんなで遊びに行って飲み倒し、晩に目が覚めたら部屋から出たとこで、タックとタカチがコソコソ昔話をしてるのをウサコが発見します。タックがその日様子が変やったのが気になったので、隠れて話を聞いてるとどうもその説明をしてるらしいぞっと。そら気になるわ。離れられんわ。ってなわけで、ワタクシもウサコと一緒に盗み聞き気分で最後まで一気読みしてしまいましたとさ。
タックの話以外にも、いろいろネタはしこまれておりますが、はっきし言って内容は重いっす。しかも西澤保彦の「こーゆー人間関係が苦手」ってのを全面に出まくってて、ワタクシとしては「うちもそれは苦手」って納得できるとこと「そこまで神経質に嫌ったらんでも」ってとこが交互にあるかなー。特にタカチが極端で。「こんなんが嫌い」までは理解できるんやけど、「憎む」まで行かれると「そこまで行かんでも」って思うとこがないわけではないっすね。ちなみにタカチの「守る」の意味は、未だに理解できてないっす。
ま、そんな重い話を何でまた一気で読んだかといいますと、シリーズもんの特徴である「この子はどーなっちゃうのー?」って思いが読ませたって感じっすね。もうタックの行く末ばかりが気になりましたわ。タカチはそんなに好きじゃないんやけどね。ボンちゃんとウサコはこれで好きになりました。
なので、この本を読む場合は「子羊たちの聖夜」と「スコッチ・ゲーム」は予備知識として読んでおく必要があるかも。登場人物の大体の構成とかわかってないと「は?」ってこともあるんで。で、登場人物のタックとタカチとボンちゃんとウサコの誰かが気に入ったら、この「依存」は読むべきっす。みんなに見せ場が用意されておりまするよ。ジャンルは「推理小説」なんやけど、どっちかちうとそれぞれの人間関係がメインな話かもしれないなー。
なので、「このミス」上位ランキングの理由は、推理小説としてのトリックどーこーよりも、「いかに一気にみんなが読んでしまったか」みたいな「物語引き込み度」に対しての評価やったんやろーと思います。推理部分の評価で行ったら、個人的には「完全無欠の名探偵」の方をお勧めします(あれはまさしく「努力賞」が相応しいっす)。
それにしても、西澤保彦は説明好きっすね。あらゆる発言とか行動に「これはこーゆー意味なのだ」みたいな説明付けてるのは、やっぱし元大学教師やからかな。でも「こっちで勝手に想像させてくれ」ってとこにも説明が入ると、「それはカットしてくれたほうが」とか思ってもたっすね。
後、西澤保彦の本の装丁は、もうちょっとちゃう路線で作ったほうがいいかもー。全体的に地味やって。せっかく読みやすい本やねんから、ジャケ買いしてもらえそうな表紙にしなはれ。この人はもっと人気出ていいはずっす。
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