Jul 10, 2005

「妊娠小説」(斎藤美奈子)

ワタクシが殆ど手を出さないジャンルに純文学(恋愛小説)があります。どうも「繊細なボク(ワタシ)自慢」ちうかね、「傷ついて傷つけられたボク(ワタシ)自慢」ってな話が詰まってるんやろなーと思って避けちゃってるのであります。

さて、そんな小説を新たな角度から評論してるのが「妊娠小説」っす。純文学(中でも恋愛小説)にありがちな「『子供ができたの』『え』を入れたら盛り上がるとか思ってるやろー」ちう、「望まれない妊娠」が含まれてる小説を「『妊娠小説』としてしまおー」ってのがコンセプトであります。

槍玉にあがってるのは、古くは「舞姫」「太陽の季節」から、「風の歌を聴け」「クラウディ」まで(1994年が初版なのでその時期まで)。どの小説も、子供がどーこー以外に含まれてる要素は山盛りなのですが、あえて「妊娠」(具体的には『性交』と『受胎告知(「子供ができたの」告知)』)の部分にだけ着目したのが、評論としてとっても新鮮でありますね。その個所だけポストイットを貼りまくったらしいっす。力作業やなー。

なので「太陽の季節」なんか「遊んでた女が妊娠して中絶手術で死んじゃって、葬式の時に主人公が『誰もわかってない!』と暴れる」話やし、「舞姫」は「おっさんが若い女の子を妊娠させて病気にして捨てて最後に安心する」って話やし、とってもシンプルなもんになってしまうのです。わかりやすーい。

「受胎告知シーン」(「子供ができたの」のシーン)が本全体のどの位置に登場するかの行数を計算し、野球のスコアボードにあてはめて、「0行進後の、9回裏サヨナラホームラン」とか、「初回からの乱打戦」とか、またはその妊娠が物語の全体の中でどんな位置付けになってるかを、お料理調で「スパイス級」「ステーキ級」とかって分析してるとこも細かいー。

そのほか、「メンズ系(男性が執筆)」「レディス系(女性が執筆)」それぞれの「告知後」の進む方向の違いとか、お約束のように登場する悪役産婦人科医とか(これがまた麻酔もかけんと手術しよーとしたり、怖い人てんこもり)、「そもそも避妊とかしてるのか?お前ら」ってなわけで、やってるシーンを振り返り(当然「そら、妊娠もするやろ」なことが山盛り)、とても盛りだくさんな内容となってます。

斎藤美奈子は、この本を出版した時に「文学はこんな風に読むもんじゃない」って文芸誌の元編集さんに怒られたそうですが、「繊細なボク自慢」にまともに付き合うんやなくて、「突っ込みいれながら読むと面白いよん」ってことを提示した評論やと思うのですね。

ワタクシ的には、完全ノーマークやった本で「こんなこと、平気で書いてやがるのかー」ってのを山盛り提示して頂いて、笑いが止まりませんでしたことよ。「突っ込み大歓迎ー」な方にはお勧めっすよ。

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『妊娠小説』を斬る!魔女さん、斎藤美奈子さんに挑戦?!

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 妊娠小説

・・・ってばアナタ、ダーリンことトニー・ラズロさんではありませんが
(「抜かれるなら、度肝がいいよね♪」)
やっぱりドギモをぬかれる

Posted by 本棚の魔女の、魔法の本棚 at 2005/07/12 (Tue) 00:39:01

魔女さんよりこんにちは^^

やまわきさん、はじめまして!
<本棚から幸せの輪をひろげる>本棚の魔女さんです。(^^)
TBありがとうございました♪

今や人気ひょーろん家のひとりとなった斎藤美奈子さん、デビュー作をあらためて読んでみると、力投がうれしくも微笑ましいですね。チカラ技がてんこ盛り。

眉をひそめた人も多かったけど、一気にファンがついたのもこの1冊。初版からもう10年以上になりますが、時の前に色あせない力をもった本ですね。

Posted by 本棚の魔女 at 2005/07/12 (Tue) 00:49:23

はじめましてー。
TBさせてもらいました。

うちもこの本は、風呂に持ち込んで落としたり、誰かに貸してなくなったりで、既に3回くらい買いなおしております。
たまにすごーく読みたくなる本ですよね。

デビュー当時は「ミナコ・サイトウ」の方が有名やったことを考えると、斎藤美奈子さん頑張ってますよね(*^^*)

Posted by やまわき at 2005/07/12 (Tue) 23:19:32
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