Mar 30, 2005
「盤上の敵」(北村薫)
いやー、北村薫の日本語はキレイっすね。さすが元国語のセンセであります。ワタクシ北村薫は「空飛ぶ馬」とかの「円紫師匠シリーズ」と、「覆面作家は二人いる」とかの「覆面作家シリーズ」しか読んでなくてですね(あ、「スキップ」も読んだっけな)、「北村薫」=「ほのぼのミステリー」と勝手に決め付けてましたが、これはちょっと違います。
まず話が始まる前の前書きに「北村ほのぼのミステリー」ファンへの心配りと言いましょうか、お断り書きがあるわけです。「今、物語によって慰めを得たり、安らかな心を得たいと言う方には、このお話は不向きです」って書いてあります。別にワタクシが安らぎを求めていないとかそーゆーことはないのですが(安らかにこしたことはないので)、そんなん言われたら「ほー、どんな不愉快な目にあえちゃうのかしらーん」って思って読んでみました。
えー、単刀直入にいいまして。ワタクシ推理小説読んで「えー」って声が出たのは、久しぶりであります。ビックリしたんので前の方とかパラパラ戻って、複線を確かめてキレイに張られてることを確認してから「うまいなー」と思いました。ちなみに2箇所で。やっぱしね、推理小説はこれがないといけません。「やられたよー」って思わせろちうことです。で、思わされちゃいましたー。嬉しいー。
話の筋としては、家を殺人犯に乗っ取られた旦那さんが、いろいろ画策してなんやかんや、ってことなのですが、前書きでお断りがあったよーに、話としては重たいとこもあります。登場人物に感情移入して「うー」ってなるよりは、「こーゆーことがあって」「こーゆーことを言ってて」ってパズルのように読んでいったほうが、トリック自体に「おおおお」ってなれることでしょう。ま、そんな軽く読んでもやっぱしちょっと残るもんはありますが。なんせ「安らかな心を得たいと言う方には、このお話は不向き」なわけやしね。
「北村ほのぼのミステリー」ではないけど、底辺にあるオーラみたいなもんは、優しい感じがしまするね。終わり方で特にその印象が強く感じました。同じトリックでいろんな人が書くとしたら、もっと違うとこに山場を持っていって、全体のバランスが変わっちゃうんやろーなーとも思わせる、そんな意味では「スマート」ちうか「上品」ちうか「優等生」的な(それが北村薫かも)本格ミステリーであります。
期待
本編に触れずに読んでみたくなるコメントが書けててすごいなー。
作者の誘導に知らずに乗ってしまって種明かしで「ええええ」とか「おおおお」っての味わいたいです。ぜひとも。
旅の友にしよっと。
ぜひぜひ「えーっ」ってなってくださいませ。
名探偵が出てきて、「ここからが種明かし」みたいなんやないけど、ある人物のある一言で「えええ」ってなるよん。
旅も楽しんできてくださいな。
図書館で借りました
文庫を買い損なって図書館で借りたら、ハードカバーでした。
ハードカバーには「安らかな心云々」は載っていなかったです。
もしや加筆も多数?
だとしたら文庫も読まねば。
でもでも。あの女のやり方をもう一度読むのは居心地というか怒りにも似たにえにえした気持ちになるので落ち着いた頃です。
なんていうのかなー。
小学校くらいのときにすっごくいやなことばかりする子とどうやったら金輪際、顔を合わせなくて済むのかということを悶々と考えた日々がよみがえるのでありますよ。
大人になってしまえば方法はいくらでもあるし、そもそもそこにこだわってないという日々もあるとこの歳になったら思っていたんだけど、そうじゃない人もいるんだと思ったらすっごく怖かったです。
あ。
私も声出そうでした。
客観的に見たらすごく大きな目になってたと思う。びっくりして。
完読おめでとー。
文庫にしか、前書きは載ってないのかも。
ハードカバーで出した時に反響がどうこうってあったから、付け足したんやろねー。
気になったら、短いから立ち読みしてもいいかもねん。
「えー」ってなって頂けてよかったよかったー。
不愉快なとこはねー、ま、それがあってこその、ってことなんやろねー。
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